骨髄系腫瘍に対する化学療法後の<i>Rothia mucilaginosa</i>による菌血症

書誌事項

タイトル別名
  • Bacteremia due to <i>Rothia mucilaginosa</i> after chemotherapy for myeloid malignancies
  • 症例報告 骨髄系腫瘍に対する化学療法後のRothia mucilaginosaによる菌血症
  • ショウレイ ホウコク コツズイケイ シュヨウ ニ タイスル カガク リョウホウ ゴ ノ Rothia mucilaginosa ニ ヨル キンケッショウ

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抄録

ヒトの消化管粘膜の常在菌であるRothia mucilaginosa (R. mucilaginosa)による菌血症の報告は少ない。我々は骨髄系腫瘍に対する化学療法後の好中球減少期に発症した3例のR. mucilaginosaによる菌血症症例を経験した。最終的に3例はいずれも抗菌薬投与により軽快したが,1例は経過中に肺と軟部組織に播種性病変を形成した。R. mucilaginosaは粘膜障害や歯科疾患が侵入経路となることが報告されているが,我々の症例ではこのような合併症はなかった。既存の進入路がなくともR. mucilaginosaは好中球減少期の菌血症の起因菌となり,また播種性病変を形成する可能性がある。R. mucilaginosaによる菌血症を発症する危険因子,発症例の臨床像,的確な抗菌療法については未だ不明な点が多く,さらなる症例および菌株の蓄積が望まれる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (6), 687-691, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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