生体肝移植後の遅発性門脈狭窄に対する門脈ステント留置術の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Stent Placement for the Treatment of Late-onset Portal Vein Stenosis in a Pediatric Liver Transplant Recipient
  • 症例報告 生体肝移植後の遅発性門脈狭窄に対する門脈ステント留置術の1例
  • ショウレイ ホウコク セイタイ カン イショク ゴ ノ チハツセイ モンミャク キョウサク ニ タイスル モンミャク ステント リュウチジュツ ノ 1レイ

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抄録

症例は11 歳,男児.生後8 か月時にfailed Kasai で生体肝移植を行った.脾腫が持続し,血小板減少を認めた.5 歳より年1 回程度の下血があり低蛋白血症を伴ったが保存的に軽快していた.肝内門脈血流は良好で,硬化療法を要する静脈瘤がないことを確認している.10 歳より低蛋白血症を伴う下痢と汎血球減少,高アンモニア血症を呈するようになった.血小板数が3 万/μl 以下となり部分的脾動脈塞栓術を施行,その際の血管造影で門脈本幹の狭小化と左胃静脈への側副血行路が明らかになった.このため,小開腹で経腸間膜静脈的に狭小化した門脈本幹のバルーン拡張を行い,10 mm×4 cm のbare metal stent を留置し,左胃静脈側副血行路のコイル塞栓を行った.現在,ステント閉塞予防のためワーファリン0.5 mg/日を内服している.下痢は消失し活動性が向上した.血小板数は6 万/μl に増加,アンモニアは正常化した.

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