異常血管の切離を施行した肺底動脈体動脈起始症の1例

  • 松浦 玲
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科 大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
  • 田附 裕子
    大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
  • 合田 太郎
    泉大津市立病院小児外科
  • 曺 英樹
    大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
  • 石井 智浩
    近畿大学医学部奈良病院小児外科
  • 山中 宏晃
    大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
  • 野村 元成
    大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
  • 出口 幸一
    大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
  • 米田 光宏
    大阪府立母子保健総合医療センター小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of an Anomalous Systemic Arterial Supply to Normal Basal Segments Treated by Transection of the Abnormal Vessel
  • 症例報告 異常血管の切離を施行した肺底動脈体動脈起始症の1例
  • ショウレイ ホウコク イジョウ ケッカン ノ キリハナシ オ シコウ シタ ハイテイ ドウミャクタイ ドウミャクキシショウ ノ 1レイ

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抄録

症例は男児,日齢8 より呼吸状態が悪化し呼気吸気変換方式経鼻的持続陽圧呼吸法(nasal DPAP)での管理を必要とした.胸部X 線にて心陰影拡大,心臓超音波検査にて心房中隔欠損(ASD)および右心不全を認めた.造影CT にて下行大動脈から分岐する異常血管を認め,肺底動脈体動脈起始症(古典的Pryce I 型肺葉内肺分画症)と診断した.内科的治療を開始したが,異常血管による下行大動脈から肺静脈への左左シャントによる心負荷の増大,ASD の左右シャントによる右心不全,肺高血圧の進行などにより右心負荷は増大し,nasal DPAP も離脱できなかったため日齢43 に手術施行.異常血管を切離し,左肺下葉実質は気管支動脈からの栄養血管により血流良好であったため温存した.術後速やかに呼吸・循環が安定し,術後3 日目に呼吸サポートも終了しえた.術後7 か月現在経過良好である.

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