剖検にてEUS-FNAによる播種を確認した膵癌の1例

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  • AN AUTOPSY-CONFIRMED CASE OF NEEDLE TRACT SEEDING OF PANCREATIC CANCER FOLLOWING EUS-GUIDED FNA

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抄録

症例は72歳女性.糖尿病悪化のため,腹部造影CT施行し,膵体部に直径20mmの低吸収域を認めた.ERCPにて,膵管は体尾部移行部で途絶していた.EUS-FNA(Endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration)を,胃体中部後壁より膵体部の低エコー腫瘤に対し施行した.組織診断は腺癌であり,膵癌と診断した.化学療法を施行したが,335病日に死亡し家族の同意を得て剖検を施行した.膵体部と胃体中部後壁が癒着しており,癒着部の胃壁内に直径16×15mmの平低な粘膜下病変を認めた.膵腫瘍と胃腫瘍は繋がった肉眼像で,組織学的には中~高分化型管状腺癌の同一組織であった.膵癌に対するEUS-FNA後播種の報告は少ない.EUS-FNAの穿刺ルートを介して浸潤したことが確認されたので報告する.

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