慢性移植片対宿主病による皮膚障害に対してインスリン皮下注射実施に工夫を要したステロイド糖尿病の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Glucocorticoid-Induced Diabetes Mellitus With Devised Subcutaneous Insulin Injection for Skin Disorders Due to Chronic Graft-Versus-Host Disease (GVHD)
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抄録
症例は24歳,女性.17歳時に急性骨髄性白血病を発症し非血縁者間骨髄移植を施行され寛解した.21歳時に全身性に皮膚GVHD(graft-versus-host disease)を発症しタクロリムス,ステロイドを開始された.24歳時に肺GVHDに対して生体肺移植術を施行され拒絶反応に対するステロイドパルス療法後に高血糖となりインスリン療法が必要となったが,皮膚GVHDのため頻回皮下注射の導入は容易ではなかった.大腿内側部に1日2回の皮下注射と経口血糖降下薬を併用且つ消毒範囲を小さくし皮下注射の継続が可能となった.移植後長期生存例の増加とともに慢性GVHDは増加しているが,皮膚GVHDに対するインスリン皮下注射に関する報告は少ない.本症例は,注射回数,注射部位,スキンケアを工夫することでインスリン療法が継続でき,患者の精神的な負担も軽減させ,治療意欲の向上にも寄与した貴重な症例であり報告する.
収録刊行物
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- 糖尿病
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糖尿病 58 (8), 558-563, 2015
一般社団法人 日本糖尿病学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204906858112
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- NII論文ID
- 130005095258
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- ISSN
- 1881588X
- 0021437X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可