t(8;14)(q24;q32)を認めたHHV-8陰性primary effusion lymphoma-like lymphoma

書誌事項

タイトル別名
  • Human herpesvirus 8-negative primary effusion lymphoma-like lymphoma with t(8;14)(q24;q32)
  • 症例報告 t(8;14)(q24;q32)を認めたHHV-8陰性primary effusion lymphoma-like lymphoma
  • ショウレイ ホウコク t(8;14)(q24;q32)オ ミトメタ HHV-8 インセイ primary effusion lymphoma-like lymphoma

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抄録

Primary effusion lymphoma (PEL)は,体腔液中で増殖する大細胞型B細胞リンパ腫で,多くはAIDS患者に発症し,その特異な発育様式にはhuman herpesvirus-8 (HHV-8)が関与するとされている。一方,PELと診断されていた患者の中に,表面抗原など多くの相違点を認めるHHV-8陰性例が存在し,近年HHV8-unrelated PEL-like lymphomaとして区別されているが,非常に稀な疾患であり,未だ不明な点も多い。今回我々は,HIV非感染高齢者に発症したHHV8-unrelated PEL-like lymphomaを経験し,貴重な症例と考え報告する。症例は89歳女性。全身倦怠感・呼吸困難を主訴に受診。左側胸水貯留を認め,胸水細胞診により大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された。リンパ腫細胞はCD19/20/79a/10/38/7/BCL2/BCL6陽性,CD3/5/30/sIg/MUM1陰性で,免疫グロブリンの遺伝子再構成を認めた。また,t(8;14)(q24;q32)を含む複雑な染色体異常が認められ,HHV-8およびEpstein-Barr virusは検出されなかった。低用量etoposide内服治療により胸水は減少し呼吸困難も軽快したが,7ヶ月後に再増悪した。Rituximabの併用により一時改善を認めたが,リンパ腫の悪化により診断から13ヶ月後に死亡した。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (8), 1082-1088, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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