遺伝子変異情報をMPNの診療にどのように活用すべきか

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タイトル別名
  • Application of genetic data to clinical practice of MPN
  • イデンシ ヘンイ ジョウホウ オ MPN ノ シンリョウ ニ ドノ ヨウ ニ カツヨウ スベキ カ

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抄録

フィラデルフィア染色体陰性骨髄増殖性腫瘍(MPN)は,2005年にJAK2V617F変異が発見されて以後,MPL変異,JAK2 exon12変異,2013年のCALR変異の発見によって,大部分の患者で遺伝子変異が明らかとなった。一方,病態の機序については,新たに同定されたCALR変異もJAK2変異やMPL変異と同様にJAK2-STAT5経路を活性化しているが,その詳細な機序は未だ解明されていない。しかし,これらの変異の発見により,MPNの診断や治療法は大きな変貌を遂げた。CALR変異を有する本態性血小板血症の患者は血栓症を併発しにくいことや,CALR変異を有する原発性骨髄線維症の患者は生存期間が長いことなど,遺伝子変異ごとの臨床的特徴も明らかにされてきている。MPNの診断にはこれらの遺伝子変異の検索が必須となると考えられるが,これらをいかに実地診療に応用できるかも重要な課題となるであろう。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (8), 949-955, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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