心拍動下冠動脈バイパス術における術前左室拡張能は術後心房細動を予測する

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  • Diastolic dysfunction predicts the risk of post-operative atrifal fibrillation after off-pump coronary artery bypass grafting

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抄録

冠動脈バイパス術後の心房細動の発症は,脳梗塞などの合併症を引き起こし在院日数や生存率にも関与する.当院の単独心拍動下冠動脈バイパス術264 例を対象に,術後心房細動と左室拡張能の関連を検討した.左室拡張能については経胸壁心臓超音波検査でパルスドプラ法による左室流入血流速波形の拡張早期波高(E: m/s)と,組織ドプラ法による拡張早期僧帽弁輪速度(e’: cm/s)を用いて評価し,E/e’>8 を拡張障害と定義した.術後心房細動を合併した80 例(30.3%)をaf 群,その他を非af 群(184 例)として比較検討を行った.多変量解析で心房細動発症の独立予測因子は,術前拡張障害(OR: 2.29,p<0.01)と年齢(OR: 1.09,p<0.01)であった.心拍動下冠動脈バイパス術後の心房細動発症において,左室拡張能は年齢とならび重要な因子であった.術前の左室拡張能を評価することで術後心房細動のリスクを予期し,合併症の軽減に貢献できる可能性が示唆された.

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