長期経過を追うことができた孤立性冠状動脈入口部狭窄による労作性狭心症の1 例

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タイトル別名
  • A case of effort angina from an isolated coronary ostial stenosis with long-term follow-up

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抄録

症例は,66 歳女性.40 歳より労作時の胸部圧迫感を自覚.44 歳時に運動負荷検査陽性であったため,冠動脈造影を施行.結果,左主幹部入口部に75%狭窄を認めた.この時点で本例は冠危険因子に乏しく,原因不明の孤立性冠状動脈入口部狭窄と考えられた.薬物治療に抵抗性であったため,冠動脈バイパス術を施行(左内胸動脈グラフトを左前下行枝に吻合し,伏在静脈グラフトを左回旋枝に吻合).その後,症状なく経過したが,労作時の胸部圧迫感が再燃し,66 歳時に冠動脈造影を施行.結果,左主幹部入口部は90%狭窄に進行.バイパスグラフトはともに高度狭窄を呈していた.血行再建が必要と判断し,左主幹部に対し経皮的冠インターベンションを施行し症状は改善した.本例は長期に渡り経過を追うことができた孤立性冠状動脈入口部狭窄の1 例であり,冠動脈バイパス手術および経皮的冠インターベンションによる血行再建を要した.

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