中学生広域野球肘検診における野球肘障害と肩関節理学所見の関係

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抄録

野球肘検診時の野球肘障害と原テストと他の肩関節理学所見の関係を調査した.2013年度の野球肘検診に参加した宇都宮地区中学校軟式野球部に所属する投手66名を対象とした.性別は全例男性,平均年齢13.8歳であった.検診時に肘痛や可動域制限を有する症例,超音波検査で無症候性の離断性骨軟骨炎が疑われた症例を野球肘障害「あり」とした.野球肘障害「あり」群が14名(症候性:10名,無症候性:4名),「なし」群が52名であった.2群間での原テスト陽性項目および肩関節周囲の圧痛点(結節間溝,大結節,肩甲骨下角)の関係を検討したところ,野球肘障害「あり」群ではSSCテスト,SSPテスト,ISPテストと大結節部の圧痛の陽性者数が有意に多かった.この4項目をロジスティック回帰分析すると野球肘障害「あり」に関与する項目はSSCテストと大結節部の圧痛であった.野球肘障害はSSCテスト陽性と大結節部の圧痛に深く関与し,早期発見にも有用であると考えられる.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 39 (2), 550-552, 2015

    日本肩関節学会

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