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- 木山 秀哉
- 東京慈恵会医科大学麻酔科学講座
書誌事項
- タイトル別名
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- Assessment of Depth of Anesthesia and Electroencephalogram 2015
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抄録
短時間作用性麻酔薬は,投与が誤って中断すると急速に薬物濃度が低下して術中に患者が覚醒するリスクを伴う.麻酔の適否は客観的,連続的な評価が望ましい.バランス麻酔に「深度」という一次元の概念は適用できない.BISは固有のアルゴリズムに基づいて脳波の原波形から算出される無次元の数値である.特に筋弛緩薬投与下あるいは全静脈麻酔では偶発的な術中覚醒を防ぐために脳波をモニターすべきである.BISによる術中覚醒の予防を検討した大規模試験は肯定的,否定的両方の結果がある.脳波モニタリングのもう一つの目的は過度の麻酔の回避である.低血圧,低BIS値,揮発性麻酔薬低濃度の,“triple low”状態が予後悪化と関連すると示唆されたが,最近の研究では術後死亡率増加との関連は示されていない.バイタルサインを注意深く観察して,麻酔薬が患者体内に確実に投与されていることの確認が必須である.
収録刊行物
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- 日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会誌 35 (4), 492-498, 2015
日本臨床麻酔学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679736693632
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- NII論文ID
- 130005099621
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- ISSN
- 13499149
- 02854945
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可