長期経過観察中に十二指腸穿破を認めた混合型intraductal papillary mucinous neoplasmの1切除例

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タイトル別名
  • Malignant Progression of Mixed Type IPMN Which Formed a Duodenum Fistula during Long-term Observation

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抄録

症例は76歳の男性で,2007年に膵頭部の混合型膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm;以下,IPMNと略記)と診断され,以後5年間明らかな変化を認めなかった.2012年のCT,MRIにてもほとんど変化を認めなかったが,上部消化管内視鏡検査にて十二指腸乳頭開大の軽度増加を認め,ERCPにて十二指腸に瘻孔を認めた.同部位からの造影では囊胞内に欠損像を認め,膵管内超音波検査にては囊胞内に充実性の腫瘤を認めた.以上より,混合型IPMNの十二指腸穿破,悪性化を考え,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査では,最も異型の強い部位はcarcinoma in situであったが,瘻孔形成部は腺腫相当の病変で悪性所見を認めなかった.混合型IPMNの長期観察中に十二指腸へ穿破し,画像所見の変化が軽微であった悪性化の1例であった.

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