橈骨神経浅枝と橈側皮静脈の交叉の位置と頻度の解剖学的調査

DOI
  • 向井 加奈恵
    金沢大学医薬保健研究域保健学系看護科学領域
  • 小松 恵美
    金沢大学大学院医薬保健学総合研究科保健学専攻
  • 浦井 珠恵
    金沢大学大学院医薬保健学総合研究科保健学専攻
  • 中島 由加里
    金沢大学大学院医薬保健学総合研究科保健学専攻
  • 浅野 きみ
    金沢大学大学院医薬保健学総合研究科保健学専攻
  • 尾崎 紀之
    金沢大学医薬保健研究域医学系機能解剖学分野
  • 中谷 壽男
    金沢大学医薬保健研究域保健学系看護科学領域

書誌事項

タイトル別名
  • Anatomical investigation of position of crossing of superficial branch of radial nerve and cephalic vein and its frequency

この論文をさがす

抄録

本研究は静脈穿刺時の橈骨神経浅枝損傷を防ぐために、手首付近での橈骨神経浅枝と橈側皮静脈の交叉の位置と頻度を明らかにすることを目的とした。本学において解剖実習に供されたご遺体28体28右肢の前腕、手首、手背を用いた。外側上顆から橈骨茎状突起までの距離は22.3±1.7cm であった。橈骨茎状突起より近位6.7±0.8cm の地点で橈骨神経浅枝が腕橈骨筋の深部より皮下に出現し、この神経より内側に位置する橈側皮静脈と伴行、下行した。この橈骨神経浅枝の出現部位は、外側上顆から橈骨茎状突起までの距離の遠位30.0±3.3%に位置していた。また、皮下に出現した橈骨神経浅枝と橈側皮静脈の交叉の頻度は、橈骨茎状突起より近位で62.6%、遠位で17.1%、橈骨茎状突起の位置で14.3%であった。また、橈骨神経浅枝は常に橈側皮静脈より深層に位置していた。橈骨神経浅枝と橈側皮静脈の太さの比は0.88±0.31であった。以上の結果より、外側上顆から橈骨茎状突起までの距離の遠位約1/3の位置で静脈穿刺を実施する際には、橈骨神経浅枝と橈側皮静脈の位置関係を考慮して行う必要があることが示唆された。

収録刊行物

  • 形態・機能

    形態・機能 14 (1), 3-11, 2015

    コ・メディカル形態機能学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ