アイゴ刺傷を契機とした <i>Gemella morbillorum</i> によるガス壊疽の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Gas Gangrene Caused by <i>Gemella morbillorum</i> after Rabbitfish Sting Injury
  • 症例 アイゴ刺傷を契機としたGemella morbillorumによるガス壊疽の1例
  • ショウレイ アイゴ シショウ オ ケイキ ト シタ Gemella morbillorum ニ ヨル ガス エソ ノ 1レイ

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抄録

58歳,男性。2007 年 10 月,海釣り中にアイゴの鰭棘が右膝に刺さったため,毒抜き目的で患部を自分の口で吸った。2 日後より右膝の発赤腫脹,疼痛が出現し,近医を受診した。当初,前医では蜂窩織炎の診断のもと,抗菌薬内服により治療が開始された。しかし症状は増悪傾向にあり受傷後 9 日目に当院へ紹介された。臨床所見と画像所見からガス壊疽と診断し,同日緊急手術を施行した。膿汁の細菌培養検査にて,Gemella morbillorum (G.morbillorum) を検出し,貪食像も認めた。デブリードマンと抗菌薬投与により,局所所見,炎症反応は急速に改善し,入院35 日目に退院となった。G.morbillorum はヒトの口腔および腸管内常在菌であり,ヒトへの感染は稀である。感染性心内膜炎や呼吸器感染症の起因菌となることもあるが,本菌による軟部組織感染症の報告は極めて少ない。今回,我々はアイゴ刺傷を契機に発症した G.morbillorum によるガス壊疽を経験したので報告する。なお,本症例は G.morbillorum による軟部組織感染症としては日本で初めての報告である。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 77 (3), 235-238, 2015

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (4)*注記

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