MPO-ANCA陽性の多発血管炎性肉芽腫症に抗基底膜抗体型急速進行性糸球体腎炎を発症した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of MPO-ANCA-positive granulomatosis with polyangiitis followed by rapidly progressive glomerulonephritis mediated by anti-GBM antibody
  • 症例報告 MPO-ANCA陽性の多発血管炎性肉芽腫症に抗基底膜抗体型急速進行性糸球体腎炎を発症した1例
  • ショウレイ ホウコク MPO-ANCA ヨウセイ ノ タハツ ケッカンエンセイ ニクガシュショウ ニ コウキテイマク コウタイケイ キュウソク シンコウセイ シキュウタイジンエン オ ハッショウ シタ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は65歳男性. MPO-ANCA陽性で多発性肺肉芽腫性病変の経過中に2か月間で正常腎機能からBUN 63mg/dL, Cre 9.2mg/dLと急激な腎機能低下を認め, 当院に紹介となった. 腎生検では巨細胞を伴う壊死性半月体形成性糸球体腎炎を認め, 蛍光抗体法でIgGが基底膜へ線状に沈着していた. 抗基底膜 (GBM) 抗体350U/mL以上であったため, 抗GBM抗体型急速進行性糸球体腎炎 (RPGN) と診断した. 肺病変発症時, PR3-ANCA陰性, MPO-ANCAは軽度上昇していたが, その後MPO-ANCAのみ有意な上昇を認めた. 単純血漿交換療法とステロイドパルス療法を施行したが, 腎機能は回復せず, 維持透析療法を必要とした. 本例は多発血管炎性肉芽腫症 (GPA) に抗GBM抗体型RPGNを合併したと考えられ, 血管炎症候群の発症・進展機序に関して示唆に富む症例であり, 病理組織診断の重要性を示した.

収録刊行物

参考文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ