敗血症性肺塞栓症をきたしたカフ型カテーテル挿入透析患者の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Septic pulmonary embolism associated with an indwelling hemodialysis catheter
  • 症例報告 敗血症性肺塞栓症をきたしたカフ型カテーテル挿入透析患者の1例
  • ショウレイ ホウコク ハイケツショウセイ ハイ ソクセンショウ オ キタシタ カフガタ カテーテル ソウニュウ トウセキ カンジャ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

敗血症性肺塞栓症 (SPE) は血流感染をきたした患者にみられるまれな肺合併症である. 今回われわれは, カフ型カテーテル挿入下でSPEを発症し, 右仙骨骨髄炎, 梨状筋膿瘍, 腰椎傍脊柱筋膿瘍を合併した症例を経験した. 症例は49歳女性. 原因不明の急性腎不全で32歳で血液透析導入. 人工血管感染を反復し, 47歳よりカフ型カテーテルで透析施行. 48歳で黄色ブドウ球菌による敗血症, 左化膿性仙腸関節炎を発症し抗菌薬で改善. 49歳で両臀部痛, 炎症反応高値で当院入院し, 右仙骨骨髄炎, 梨状筋膿瘍, 腰椎傍脊柱筋膿瘍に加え, 両肺に空洞を伴う結節影が多発しSPEを認めた. 来院時セフトリアキソン投与下で血液培養は陰性であった. ピペラシリン・タゾバクタム, バンコマイシンの投与でCRPは陰性化し, SPE, 右仙骨骨髄炎・膿瘍も画像上改善した. 透析患者は易感染宿主であり, 血流感染を疑う状況では臨床所見や画像所見から積極的にSPEの合併を疑い早期診断を行うことが重要である.

収録刊行物

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ