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- 増田 和茂
- 公益財団法人健康・体力づくり事業財団 一般社団法人健康評価施設査定機構
書誌事項
- タイトル別名
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- The aim of Japan revitalization strategy and the role of health check facilities
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抄録
将来とも我国の社会保障制度の持続性を確立することは日本が直面している喫緊の課題の1つである。他に類をみない速さで少子高齢化が進展し、医療・年金・福祉など社会保障給付費関連の財政負担が増大し続けている中、2012年(平成24年)2月の閣議決定「社会保障・税一体改革大綱」を経て、同年8月には社会保障費の財源に充てるための所費税率アップを含めた社会保障制度改革関連法案が可決された。<br> 翌年、2013年(平成25年)6月、政府は「日本再興戦略」1)を発表し、我国経済の再興を可能とする戦略的市場の主要テーマの一つに「国民の健康寿命の延伸」に寄与する健康寿命延伸産業の育成を掲げ、効果的な予防サービスや健康管理の充実により、健やかに生活し、老いることができる「健康長寿社会」の実現を目指すことを明記した。さらには、健康長寿社会の実現のためにデータヘルス計画にも言及し、レセプト・健診等のデータの分析、それに基づく健康保持増進のための事業等、効果的な予防サービスや健康管理を充実させることの重要性も強調している。<br> 日本総合健診医学会前理事長日野原重明氏は理事長当時の学会ホームページのご挨拶の中で「厳正な精度管理のもとに全国の総合健診施設に管理されている継続データは、国民の皆さまの「生涯健康管理」と「一次予防」のお役に立つものと確信しております」と述べられている。これはまさしくデータヘルス計画の一翼を総合健診施設が担うことになると言う期待を述べられているのではないでしょうか。高齢者医療のための過重な拠出金負担による財政的圧迫という理由からやむなく職員を削減せざるを得ない健康保険組合も少なくない中、データヘルス計画の事業の一部または全部を外部に委託せざるを得ない医療保険者も多く、健診・保健指導の分野で実績のある総合健診施設が果たす役割が大きく期待されていると思われる。
収録刊行物
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- 総合健診
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総合健診 42 (5), 507-512, 2015
一般社団法人 日本総合健診医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680176084480
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- NII論文ID
- 130005102027
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- ISSN
- 18844103
- 13470086
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可