Waldenström's macroglobulinemia

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抄録

原発性マクログロブリン血症(WM)は,単クローン性IgM増殖を示す稀な難治性B細胞性腫瘍であり,様々な症状を呈する。患者の年齢,自家造血幹細胞移植の適応の有無,過粘稠度症候群など合併症により治療方針が異なる。リツキシマブが治療の中心であり,近年ベンダムスチン,ボルテゾミブ,カルフィルゾミブなどとの併用で高い奏効性が示された。また高齢者に対してはフルダラビンとクロラムブシルの比較試験の結果,前者の有用性が明らかとなった。一方新規治療薬としてはBTK阻害薬が注目される。欧米にて行われたゲノム解析の結果,WM患者にはMYD88L265P及びCXCR4WHIM遺伝子異常が認められ,臨床像の違いが明らかとなった。MYD88L265Pは腫瘍の増殖と生存に,CXCR4WHIMは腫瘍の進展と治療抵抗性に関与する可能性があり,今後の治療選択には,これらの遺伝子変異を考慮する必要性が示唆された。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (10), 2074-2085, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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