TMAの診断と治療

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タイトル別名
  • Diagnosis and management of thrombotic microangiopathies
  • TMA ノ シンダン ト チリョウ

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抄録

血栓性微小血管症(TMA)は,血小板減少と溶血性貧血に臓器障害を合併する症候群で,代表的な疾患として血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と溶血性尿毒症症候群が(HUS)が存在する。最近では,TTPはADAMTS13活性著減によって診断され,ADAMTS13遺伝子異常のある先天性と自己抗体による後天性が存在する。一方,HUSは,90%以上が志賀毒素産生大腸菌感染に関連して発症し,残りの10%は非典型HUS (aHUS)と呼ばれている。aHUSは,補体第二経路の異常により補体が過剰に活性化して発症する。膠原病,移植,悪性腫瘍,妊娠,薬剤などの基礎疾患に伴って発症する二次性TMAも知られている。TMAの多くの症例において,血漿交換は第一選択の治療法であり,早期に開始することで予後が改善する。TTPにおけるリツキシマブやaHUSにおけるエクリズマブといった抗体療法が第二選択治療として使用されている。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (10), 2092-2099, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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