冠静脈洞筋叢と左房との接続が粗であるために一見斜走する副伝導路を呈した顕性WPW症候群の1例

DOI
  • 田村 未央
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 金古 善明
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 中島 忠
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 入江 忠信
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 太田 昌樹
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 飯島 貴史
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 飯塚 貴史
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 田村 峻太郎
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 小林 紘生
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 齊藤 章宏
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学
  • 倉林 正彦
    群馬大学大学院医学系研究科臓器病態内科学

書誌事項

タイトル別名
  • A case of manifest Wolff-Parkinson-White syndrome with atrioventricular accessory pathway apparently in an oblique course due to loose electrical connections between coronary sinus musculature and left atrium

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抄録

27歳, 男性. 高校生頃より動悸発作を自覚していた. 心電図は, A型WPW症候群で下壁誘導のデルタ波の極性は平坦であった. 頻拍は, 左側副伝導路を介する房室回帰性頻拍であった. 冠静脈洞 (CS) マッピングにおいて, 洞調律時の最早心室興奮は左室後壁であったが, 逆伝導時の冠静脈洞筋叢 (CSM) 電位の最早は約3cm離れた左室側壁であり, 副伝導路の斜走が疑われた. しかし, 左房 (LA) 内マッピングにおいて, 1) 副伝導路逆伝導時に最早LA電位は後壁であり, 2) 洞調律時の同部位の電位は単極誘導記録でPQSパターンを呈し心室波がデルタ波に先行しており, 3) さらに同部位での通電にて約2秒にてAPの離断に成功したことから, 後壁に心房・心室端を有する房室APと考えられた. 本例は, 電位CSMと左房との接合が側壁以外では粗である稀な例であるため, 後壁AP逆伝導時の最早CSM記録部位が側壁となったと考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 46 (SUPPL.3), S3_43-S3_47, 2014

    公益財団法人 日本心臓財団

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