大動脈弁無冠状動脈洞からの焼灼で副伝導路離断に成功した潜在性WPW症候群の2症例

DOI
  • 井原 健介
    東京医科歯科大学医学部附属病院循環器内科
  • 横山 泰廣
    東京医科歯科大学医学部附属病院不整脈センター
  • 白井 康大
    東京医科歯科大学医学部附属病院循環器内科
  • 田尾 進
    東京医科歯科大学医学部附属病院循環器内科
  • 佐々木 毅
    東京医科歯科大学医学部附属病院循環器内科
  • 川端 美穂子
    東京医科歯科大学医学部附属病院循環器内科
  • 笹野 哲郎
    東京医科歯科大学医学部附属病院生命機能情報解析学
  • 平尾 見三
    東京医科歯科大学医学部附属病院不整脈センター

書誌事項

タイトル別名
  • Successful Radiofrequency Catheter Ablation of Superoparaseptal Accessory Pathway from Non-coronary Aortic Sinus in Patients with Concealed WPW Syndrome—Two Case Reports—

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抄録

いわゆる前中隔副伝導路を有する潜在性WPW症候群の正方向性房室回帰性頻拍に対して, カテーテルアブレーションを施行した2症例を経験したので報告する. 症例1は55歳男性. 右側で頻拍中にマッピングを施行したところ心房最早期興奮部位はHis束電位記録部位近傍に位置した. 同部位で通電を行い副伝導路離断を得たが, 通電中に早い接合部調律が出現してしまうため十分な焼灼が困難であり, 退院後に発作の再発を認めた. 2nd sessionで副伝導路伝導・頻拍の再発を認め, 1st sessionの所見から右側ではなく大動脈弁・無冠状動脈洞からCARTO sound systemを用いつつアプローチし副伝導路離断に成功した. 症例2は33歳男性. 頻拍中の心房最早期興奮部位ではHis束電位が記録されるため通電困難と考えられたため, 無冠状動脈洞から通電を行い副伝導路離断に成功した. 2症例ともに, 房室伝導障害なく経過しそれぞれ術後約1年および半年間の経過中に再発を認めていない. 前中隔副伝導路前中隔副伝導路を持つ潜在性WPW症候群はアブレーション困難例が多く, 無冠状動脈洞からのアプローチは有用な治療選択肢と考えられた. またCARTO sound systemを用いた副伝導路離断成功部位の検討でも前中隔副伝導路症例において無冠状動脈洞からのアプローチを検討することは合理的であると考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 46 (SUPPL.3), S3_182-S3_190, 2014

    公益財団法人 日本心臓財団

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