胸部鈍的外傷により個別に生じた，腕頭動脈と右鎖骨下動脈の仮性瘤に対する1 手術例

• 片岡 剛

  独立行政法人国立病院機構京都医療センター心臓血管外科

• 白神 幸太郎

  独立行政法人国立病院機構京都医療センター心臓血管外科

• 浅田 秀典

  独立行政法人国立病院機構京都医療センター心臓血管外科

• 吉良 浩勝

  独立行政法人国立病院機構京都医療センター心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名

• A Case of Traumatic Pseudoaneurysms of The Brachiocephalic Artery and Right Subclavian Artery

抄録

要旨：鈍的胸部外傷による動脈損傷は大動脈に多く，弓部分枝に生じることは少ない．またその治療方針は状況によってさまざまである．症例は左肺全摘後の68 歳男性．交通外傷で救急搬送され，CT で胸骨骨折，腕頭動脈限局解離，縦隔血腫，右肺挫傷を認めたが，造影剤の血管外への漏出がなく，全身状態が安定していたため初期治療として保存的降圧療法を選択した．第6 病日にD-dimer の再上昇を認めたため，緊急CT と血管造影を行ったところ，腕頭動脈および右鎖骨下動脈に仮性瘤を認めた．破裂の危険を考慮して，緊急で上行大動脈から右総頸動脈と右腋窩動脈への2 本のバイパス術と仮性瘤結紮術を施行し，その後軽快退院した．外傷性胸部動脈損傷の初期治療は患者の全身状態を考慮して選択されるべきであり，保存治療を選択した場合，頻回のCT 検査と採血検査を含めた緻密な経過観察を行い，急な変化が生じた場合，迅速に必要な加療を進める必要がある．

収録刊行物

• 日本血管外科学会雑誌

  日本血管外科学会雑誌 24 (6), 915-919, 2015

  特定非営利活動法人 日本血管外科学会

キーワード

• 鈍的外傷
• 腕頭動脈瘤
• 鎖骨下動脈瘤
• 仮性瘤

詳細情報

• CRID: 1390282679392545024
• NII論文ID: 130005104305
• DOI: 10.11401/jsvs.15-00046
• ISSN: 1881767X
• ISSN: 09186778
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2016210597
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可