急性A 型大動脈解離を合併した巨細胞性動脈炎の1 手術例

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タイトル別名
  • A Case of Giant Cell Arteritis Complicated with Acute Type A Aortic Dissection

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抄録

要旨:巨細胞性動脈炎(Giant cell artiritis; GCA)は50 歳以上に発症する中・大型動脈の動脈炎を主徴とする疾患で,胸部大動脈瘤や大動脈解離との関連も報告されている.今回,急性A 型大動脈解離術後に組織所見からGCA と診断した症例を経験したので報告する.症例は65 歳,男性,急性A 型大動脈解離に対して緊急で上行全弓部大動脈置換術を施行した.術後,炎症所見と微熱の遷延を認め,抗生剤投与で経過観察していたが,術後10 病日に病理報告で上行弓部大動脈,腕頭動脈に多核巨細胞浸潤が多数認められGCA と診断した.ステロイド投与で炎症所見は改善,術後47 病日に軽快退院となった.術後CTで腕頭動脈吻合部に解離腔が残存して,真腔狭小化を認めたが,症状が無く,解離急性期であるため経過観察していたが,半年後のCT で動脈瘤の拡大と真腔の高度狭窄を認め,右総頸動脈からステントグラフトを挿入し良好な結果を得た.

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