P3-004 レイノー現象を有する自己免疫疾患と血管内皮細胞の自己抗体との関連

  • 仲野 総一郎
    順天堂大学 膠原病内科 公益財団法人佐々木研究所 内科研究部門
  • 山中 健次郎
    公益財団法人佐々木研究所 内科研究部門
  • 鈴木 智
    順天堂大学 膠原病内科 公益財団法人佐々木研究所 内科研究部門
  • 髙崎 芳成
    順天堂大学 膠原病内科

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抄録

【目的】膠原病および自己免疫疾患の皮膚潰瘍・指尖潰瘍などの末梢循環障害を起因する病態において,血管内皮細胞に関わる分子の発現異常や,血管内皮前駆細胞数,抗内皮細胞抗体については過去に検証されている.しかし,自己免疫反応や血管内皮細胞に関わる分子と自己抗体との関係について未だ詳細な検証はされておらず,今回我々は検討を行った.【方法】レイノー現象を有する自己免疫疾患患者ならびに健常人の末梢血を用いて,血管内皮前駆細胞数をフローサイトメトリーで解析.また患者血清と,ヒト微小血管内皮ライセートを用い,血管内皮細胞に対する免疫反応を検証し,患者血清を用いて血管内皮細胞ならびに血管内皮前駆細胞に発現し血管病変に関わりのあるエンドセリンB受容体との免疫反応を検証.さらにレイノー現象を有する患者ならびに健常者の血漿中のエンドセリン(ET)-1を定量した.【結果】レイノー現象を有する自己免疫疾患患者の末梢血中血管内皮前駆細胞数が低下していた.患者血清が内皮細胞ライセートに反応し,免疫沈降-Western blottingで抗エンドセリンB受容体抗体に反応するバンドが検出された.血漿中のET-1濃度はレイノー症状を有する膠原病患者で有意に高値であった.【結語】レイノー現象を有する自己免疫疾患患者では抗内皮細胞抗体およびエンドセリンB受容体に対する自己抗体が存在する可能性が示唆された.

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