P4-015 抗CCP抗体遺伝子導入マウスのB細胞分化機能解析

  • 山田 久方
    九州大学生体防御医学研究所 感染制御学分野
  • 岸 裕幸
    富山大学大学院医学薬学研究部 免疫学講座
  • 小澤 龍彦
    富山大学大学院医学薬学研究部 免疫学講座
  • 津田 玲奈
    富山大学大学院医学薬学研究部 免疫学講座
  • 村口 篤
    富山大学大学院医学薬学研究部 免疫学講座
  • 吉開 泰信
    九州大学生体防御医学研究所 感染制御学分野

書誌事項

タイトル別名
  • [Not Available].

この論文をさがす

抄録

【背景】抗CCP抗体を含めた抗シトルリン化タンパク抗体は,関節リウマチ(RA)に最も疾患特異性が高い免疫異常であり,病因解明の鍵を握ると考えられる.抗CCP抗体の産生機序としてB細胞免疫寛容機構の破綻や,シトルリン化による新規エピトープの出現などが考えられるが,その詳細は不明である.また,これらが生体内で認識する抗原もよくわかっていない.我々はRA患者の抗CCP抗体遺伝子をクローニングし,その抗原特異性を報告しているが(Tsuda R et al., Arthritis Rheum, 2015),今回この抗体遺伝子を導入したマウスを作製することで,生体内でのCCP特異的B細胞の分化や機能を解析することとした.【方法】ヒト抗CCP抗体のH,L鎖の可変領域を,それぞれマウス定常領域を発現するベクター(慶應大学天谷雅行教授より供与)に組み込み,C57BL/6マウスに遺伝子導入した.【結果】遺伝子導入マウスでは,CCP特異的B細胞が骨髄,脾臓などで検出された.しかし,それらの細胞表面IgMの発現レベルは正常マウスのB細胞に比較してやや低下していた.血清からは抗CCP抗体が検出されたが,現在のところ関節炎等の症状は認めていない.【結論】CCP特異的B細胞はある程度の免疫寛容状態に陥っていることが示唆された.よってこれらのB細胞が生体内で認識する抗原は,正常個体にも発現していると推測される.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ