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抄録
多発性筋炎は,CD8 T細胞による自己免疫性炎症性筋疾患とされる.我々は,マウス骨格筋C蛋白をB6マウスへ免疫して誘導する自己免疫性筋炎マウスモデルC protein-induced myositisを開発した.そこで,予測プログラムを用い,C蛋白中でMHCクラスIに理論的に結合しやすいエピトープ候補を挙げた.RMA-S細胞アッセイでMHCクラスIに最も強く結合することが分かったHILIYSDVペプチドを,骨髄誘導性樹状細胞(BMDCs)に提示して,B6マウスへ移入したところ,筋線維傷害を伴う筋炎を発症した.この筋炎をC-protein peptide-induced myositis(CPIM)と名付けた.RMA-S細胞アッセイでHILIYSDVの次にMHCクラスIへの高結合性を示した3つのペプチドをBMDCsに提示してB6マウスへ移入したが筋炎は発症せず,さらに,この3つのペプチドはHILIYSDVに拮抗的に働いた.よって,HILIYSDVは特別に免疫原性が強いと考えられる.また,CPIMは,抗CD8除去抗体で完全に抑制される一方,抗CD4除去抗体には影響を受けない.つまり,CD4 T細胞非依存的にCD8 T細胞が筋障害を誘導しているCPIMは,多発性筋炎の病原性CD8 T細胞標的治療法開発に有用な新規モデルマウスであると考えられる.
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 38 (4), 334b-334b, 2015
日本臨床免疫学会