P4-016 IL-2-抗IL-2抗体免疫複合体による関節リウマチの治療

  • 横山 雄一
    兵庫医科大学内科学講座 リウマチ・膠原病科
  • 岩崎 剛
    兵庫医療大学 薬学部
  • 古川 哲也
    兵庫医科大学内科学講座 リウマチ・膠原病科
  • 関口 昌弘
    兵庫医科大学内科学講座 リウマチ・膠原病科
  • 東 直人
    兵庫医科大学内科学講座 リウマチ・膠原病科
  • 北野 将康
    兵庫医科大学内科学講座 リウマチ・膠原病科
  • 角田 慎一郎
    兵庫医科大学内科学講座 リウマチ・膠原病科
  • 松井 聖
    兵庫医科大学内科学講座 リウマチ・膠原病科
  • 佐野 統
    兵庫医科大学内科学講座 リウマチ・膠原病科

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抄録

【目的】制御性T細胞(Treg)には胸腺内において自己反応性T細胞と共に産生されるnTregと,末梢血中のナイーブT細胞から分化誘導されるiTregが存在する.iTregはT細胞受容体(TCR)の刺激が無くても,IL-2が存在すれば増殖可能である.IL-2-抗IL-2抗体免疫複合体(IL-2IC)はIL-2単独に比べ半減期が長く,生体内でCD25と特異的に結合するため,iTregを効率的に増殖させることが可能である.そこで今回,IL-2ICによりiTregを誘導し,自己免疫反応を制御して,関節リウマチ(RA)の発症を制御することを試みた.【方法】DBA/1マウスに2型コラーゲンを皮下注射し関節炎を誘導し,IL-2ICを作成し投与した.実験群は1)PBS投与群,2)IL-2IC投与群,3)CyA投与群に分け,IL-2ICおよびCyAの投与は一次免疫あるいは二次免疫から開始し,3日間連続腹腔内投与を行った.RAの治療効果は,関節腫脹スコア,病理組織学的解析で判定した.さらに,これらの動物モデルの治療後の末梢血Tregの増加をフローサイトメトリーにて解析した.【結果および考察】IL-2IC投与1週間後の末梢血中のTregは,コントロール群の約2倍に増加していた.また,一次免疫からIL-2ICを投与すると関節炎が抑制され,その抑制効果はCyAよりも優れていた.しかし,二次免疫からIL-2ICを投与すると,関節炎の発症が増強された.以上の実験結果より,IL-2IC投与によるRA治療は,発症初期から投与する必要があることが明らかになった.

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