鼠径ヘルニアのヘルニア囊内に認めたアニサキス肉芽腫症の2例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Anisakiasis Protruding Into Inguinal Hernia Sac
  • 症例報告 鼠径ヘルニアのヘルニア囊内に認めた アニサキス肉芽腫症の2例
  • ショウレイ ホウコク ソケイ ヘルニア ノ ヘルニアノウ ナイ ニ ミトメタ アニサキス ニクガシュショウ ノ 2レイ

この論文をさがす

抄録

症例1 は9 歳男児.右鼠径ヘルニアの診断で根治術を行ったところ,ヘルニア囊内に大網に被覆された腫瘤を認めた.病理組織学的検査では虫体の破壊が強く種別の判定は困難であったが,血清免疫学的検査によりアニサキス抗体の陽性反応を認め,アニサキス肉芽腫症と診断した.症例2 は2 歳男児.右鼠径部腫瘤を主訴に来院した.エコー,MRI 検査では腹腔内から右鼠径管内に連続した索状構造を認め,辺縁整な楕円形腫瘤に続いていた.右鼠径ヘルニアおよびヘルニア囊内腫瘤の診断で根治術を行い,ヘルニア囊内の腫瘤を摘出した.病理組織学的検査でアニサキス幼虫と考えられる虫体を認め,血清免疫学的検査よりアニサキス抗体陽性であったことから,アニサキス肉芽腫症と診断した.鼠径ヘルニアのヘルニア囊内に生じたアニサキス肉芽腫症は極めて稀であり,虫体の判定が困難な場合には,臨床経過や病理結果,血清免疫学的検査を総合的に検討する必要がある.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ