尿道カテーテル法に関する看護師アンケート調査報告および医原性尿道損傷の臨床的検討

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タイトル別名
  • A NURSE QUESTIONNAIRE SURVEY ABOUT THE URETHRAL CATHETERIZATION AND CLINICAL ANALYSIS OF IATROGENIC URETHRAL INJURY
  • ニョウドウ カテーテルホウ ニ カンスル カンゴシ アンケート チョウサ ホウコク オヨビ イ ゲンセイ ニョウドウ ソンショウ ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

(目的) 当院における尿道カテーテル挿入に伴う医原性尿道損傷を把握する. (対象と方法) 当院での医原性尿道損傷32例について検討した.また,尿道カテーテル挿入を担当しうる看護師150名に対してアンケート調査を行い,133名(回答率88.7%)から得た回答をもとに解析した. (結果) 32例には,日常生活で介助が必要なADL低下患者14例(44%),脊髄損傷4例(13%),麻酔・鎮静下中の発症4例(13%)が含まれた.急性期合併症には,敗血症5例(16%),敗血症性ショック3例(9%)などがあった.敗血症の症例は,全例長期カテーテル留置患者であった.また看護師へのアンケート調査では,バルーン固定水は『尿流出を確認して注入する』という回答が86%であったが,『尿流出がなくても固定水を注入する』という回答は7%に認めた.尿流出がない場合に,『下腹部を圧迫する』という回答が46%,『膀胱洗浄を行う』が6%で,『どちらも行わない』が48%であった. (結論) 当院での医原性尿道損傷は,ADL低下例が半数を占め,長期カテーテル留置患者における定期交換時の損傷では敗血症を合併しやすい.アンケート調査では,カテーテル挿入時に尿流出を確認後にバルーン固定水を注入する概念が8割以上で守られていたが,実際に尿流出が見られない場合への対応が看護師によって異なっていた.この状況への対応が看護師への教育上重要と思われた.

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参考文献 (4)*注記

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