横行結腸癌術後直腸子宮窩再発・卵巣転移に対し治癒切除が可能であった1例

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  • A Case of Curative Resection of Rectouterine Pouch Recurrence and Left Ovarian Metastasis from Transverse Colon Cancer

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抄録

症例は58歳の女性で,2008年3月に前医で横行結腸癌と診断され,手術が施行された.2010年8月にCTで直腸子宮窩および左卵巣に腫瘤を指摘され,化学療法を勧められたが,セカンドオピニオン目的に当院に紹介された.FDG-PETで全身検索を行った結果,限局性の直腸子宮窩再発および左卵巣転移と診断され,同年10月に低位前方切除術,両側卵巣切除,子宮摘出術を施行した.腫瘍は直腸子宮窩から後膣円蓋に露出した径3cm大の中央に潰瘍を形成する腫瘤で,病理組織像は原発巣と同じ粘液癌であった.また左卵巣腫瘤も粘液癌であった.術後補助化学療法としてXELOX療法を8コース行い現在も外来通院中であるが,術後38カ月経過し無再発生存中である.結腸癌術後に生じる腹膜播種は多発することが多く,手術適応となることは少ないが,本症例のように限局性の腹膜播種に対しては治癒切除を行うことにより長期生存が期待できる.

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