A 群 β 溶血性連鎖球菌感染症を合併した伝染性単核球症の 1 例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A case of infectious mononucleosis accompanying group-A beta-hemolytic streptococcal infection

この論文をさがす

抄録

伝染性単核球症に対するぺニシリン系抗菌薬(PCs)投与は、高率に皮疹を生じるため禁忌である。一方細菌性急性咽頭・扁桃炎の主な起炎菌は、A 群 β 溶血性連鎖球菌(A 群溶連菌)で、PCs が第一選択薬とされている。今回 A 群溶連菌感染症を合併した伝染性単核球症の 1 例を経験した。症例は 20 歳、女性で咽頭痛、発熱を主訴に受診した。上咽頭、口蓋扁桃に膿を認め A 群溶連菌迅速診断陽性であった。自動血球測定装置でリンパ球優位の白血球上昇がみられたため、肝機能検査、Epstein-Barr(EB)ウイルス抗体検査を行うとともに ceftriaxone を投与した。細菌検査では上咽頭、口蓋扁桃より A 群溶連菌が 3 +検出された。血液検査では肝機能低下、異型リンパ球、EB ウイルス感染を認め伝染性単核球症と診断された。A 群溶連菌迅速診断陽性の急性咽頭・扁桃炎に対する抗菌薬選択にあたり、伝染性単核球症の合併を念頭に置き白血球分画を測定する必要があると思われた。

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 60 (6), 231-237, 2014-11-20

    耳鼻と臨床会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ