門脈輪状膵にreplaced―右肝動脈を伴った十二指腸乳頭部癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Report of Duodenal Papillary Carcinoma with a Portal Annular Pancreas and Replaced Right Hepatic Artery
  • 症例 門脈輪状膵にreplaced-右肝動脈を伴った十二指腸乳頭部癌の1例
  • ショウレイ モンミャク リンジョウスイ ニ replaced-ミギ カン ドウミャク オ トモナッタ ジュウニシチョウ ニュウトウブガン ノ 1レイ

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抄録

門脈輪状膵は,膵実質が門脈周囲を完全に包み込むまれな形態異常であり,“portal annular pancreas”として報告されている.今回,われわれは門脈輪状膵に上腸間膜動脈からのreplaced-右肝動脈を合併した十二指腸乳頭部癌の手術症例を経験したので報告する.患者は62歳の女性で,十二指腸乳頭部癌と診断され,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術前より上腸間膜動脈からの右肝動脈のreplacementを認めていた.術中に膵鉤部が門脈周囲を巻き込むように背側から左側に伸びて存在し,膵体部と癒合する形態異常を認め,さらに膵実質内を右肝動脈が走行していた.主膵管が門脈腹側にあることを確認し,膵体部は上腸間膜静脈左縁で切離し,輪状になった膵鉤部は可及的に膵体部近傍で切離後に縫合閉鎖した.術後,膵液漏を認めたが,保存的治療にて軽快した.

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参考文献 (8)*注記

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