VII.本邦における便失禁に対する仙骨神経刺激療法の位置づけ

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  • Status of Sacral Nerve Modulation for Fecal Incontinence in Japan

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抄録

便失禁は患者にとって肉体的,精神的に苦痛であり,羞恥心のため自分の症状を家族にも告げられないこともある.治療の選択肢の1つとして近年欧米を中心に仙骨神経刺激療法が行われるようになってきた.本邦においても平成26年4月よりこの治療法が保険適用となった.この治療の特徴は一時的な体外の刺激装置を用いて刺激効果の有無を判定できることと,従来行われてきた外科的治療に比べれば低侵襲といえることである.手術は2期的に行われる.第1期の手術ではリードを植え込み,体外式の刺激装置を使用して効果を判定する.症状が改善すれば第2期の手術で永久的な刺激装置を腰背部の皮下に植え込む.海外での報告ではこの治療法の成績は良好である.本邦でも既に治験を経てその効果と安全性が確認されたが,今後はデータの蓄積によりその長期成績を検討する必要がある.既に世界標準といえる仙骨神経刺激療法が本邦でも標準術式となる可能性がある.

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