急性期加療中に深部静脈血栓症を発症した劇症1型糖尿病の1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Fulminant Type 1 Diabetes Mellitus With Deep Vein Thrombosis Occurred During Initial Medical Treatment

この論文をさがす

抄録

46歳女性.外傷を除き生来健康.2日間続く上腹部痛,発熱にて近医受診し,胃腸炎の診断.腹痛軽減するも微熱は継続.近医初診から4日後上腹部痛増悪,口渇,悪心も出現し再診.尿定性検査にて初診時認めなかった尿糖及び尿ケトン体が検出され救急搬送.アニオンギャップ(以下AG)開大性代謝性アシドーシスあり,糖尿病性ケトアシドーシス(以下DKA)と判断し入院,補液及びインスリン治療開始.来院時の随時血糖955 mg/dl,HbA1c 6.0 %,インスリン分泌能も枯渇しており,劇症1型糖尿病(以下FT1DM)と診断.第9病日,右足関節に限局する疼痛,腫脹出現.造影CTにて右膝窩静脈に造影欠損認め深部静脈血栓症(以下DVT)と診断,直ちに抗凝固療法開始し軽快した.糖尿病全患者のDVT発症率は非糖尿病患者の約2倍に上がるとされる.常にDVTの発症もあり得ることを念頭に置き,可能な限り早期離床に努め,発症時は速やかに対応するべきであると考える.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 58 (10), 788-794, 2015

    一般社団法人 日本糖尿病学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ