ゾル-ゲル法で調製した新規金属酸化物–炭素複合担体担持Ni触媒によるフェノールの水熱ガス化反応に及ぼす金属酸化物の種類の影響

  • 石原 篤
    三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻
  • 今西 健太
    三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻
  • 橋本 忠範
    三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻
  • 那須 弘行
    三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Types of Metal Oxides on Hydrothermal Gasification of Phenol over Novel Metal Oxide–carbon Composite Supported Ni Catalysts Prepared by Sol-gel Method

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抄録

水溶性の芳香族化合物を含む廃水のモデルとしてフェノールの水溶液(フェノール水)を用い,亜臨界水状態条件で水熱ガス化反応処理することで燃料ガスを製造した。金属アルコキシドとPEGを組み合わせることで触媒担体に炭素骨格と金属酸化物を同時に導入し,新規金属酸化物─炭素複合担体担持Ni触媒を調製した。金属アルコキシドの種類を変えることにより担体の活性および安定性に及ぼす影響を検討し,フェノール水にメチオニンを加えることによる触媒への被毒効果を調べた。水熱ガス化反応は,固定床流通式反応装置を用いて350 ℃,20 MPa, LHSV 48 h−1,反応溶液 フェノール水2 g/L の条件で行った。XRD測定より,いずれの触媒にも金属Niが見られ,シリカ(S),ジルコニア(Z),アルミナ(A)含有触媒の場合,5~7 nmのNi微粒子が生成した。反応後,チタニア(T)およびジルコニア含有触媒では大きな変化を確認することはできなかったが,シリカ含有触媒では反応後に炭化ケイ素が,アルミナ含有触媒ではベーマイトのピークが確認された。窒素吸着測定の結果,アルミナとシリカは反応後に大きく表面積が変化したが,チタニアとジルコニアは反応後も表面積の変化は小さく,熱安定性が高いことが分かった。フェノール水の水熱ガス化反応を行った結果,チタニア,ジルコニア,アルミナ含有触媒の16N53C31T,16N11C73Z,16N53C31Zおよび16N63C21A(16N: 16 wt% Ni; 11, 53, 63C: PEG中の炭素11, 53 あるいは 63 wt%; 21, 31, 73A, Z, T: 21, 31, 73 wt% Al2O3, ZrO2 あるいは TiO2)では,時間の経過とともにフェノール転化率が100 %に達した。シリカを除いて,いずれの場合も炭素の含有量を多くすることで,相対的にNiの担持量が増えたため転化率が向上した。ジルコニアおよびアルミナ含有触媒は非常に高いガス回収率を示した。

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参考文献 (29)*注記

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