特発性ネフローゼ症候群の発症機序

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タイトル別名
  • Pathogenic mechanism of childhood idiopathic nephrotic syndrome

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抄録

要旨: 小児期発症特発性ネフローゼ症候群の発症機序についてはこれまで様々な検討がなされてきた。先天性ネフローゼ症候群や幼少期発症ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の原因の多くは糸球体上皮細胞の機能に関する遺伝子の異常が原因であることが判明しているが,微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)については未だ原因が不明な部分が多く,様々な仮説が提唱されるに至っている。古くからT 細胞の異常が想定されるようになり,それ以来血中に存在するサイトカイン等の循環因子が糸球体に作用して濾過バリアーの透過性を亢進させると考えられてきた。しかし最近ではB 細胞をターゲットとするリツキシマブの有効性が明らかとなり,T 細胞以外のメカニズムも想定されるようになった。また遺伝的素因の検討により,MCNS の原因となるいくつか遺伝子変異が同定されている。MCNS の発症機序に関する様々な原因仮説を整理し,その解明に向けた今後の課題を議論する。

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