-
- 張田 豊
- 東京大学医学部小児科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Pathogenic mechanism of childhood idiopathic nephrotic syndrome
この論文をさがす
抄録
要旨: 小児期発症特発性ネフローゼ症候群の発症機序についてはこれまで様々な検討がなされてきた。先天性ネフローゼ症候群や幼少期発症ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の原因の多くは糸球体上皮細胞の機能に関する遺伝子の異常が原因であることが判明しているが,微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)については未だ原因が不明な部分が多く,様々な仮説が提唱されるに至っている。古くからT 細胞の異常が想定されるようになり,それ以来血中に存在するサイトカイン等の循環因子が糸球体に作用して濾過バリアーの透過性を亢進させると考えられてきた。しかし最近ではB 細胞をターゲットとするリツキシマブの有効性が明らかとなり,T 細胞以外のメカニズムも想定されるようになった。また遺伝的素因の検討により,MCNS の原因となるいくつか遺伝子変異が同定されている。MCNS の発症機序に関する様々な原因仮説を整理し,その解明に向けた今後の課題を議論する。
収録刊行物
-
- 日本小児腎臓病学会雑誌
-
日本小児腎臓病学会雑誌 28 (2), 120-128, 2015
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001204340089600
-
- NII論文ID
- 130005108684
-
- ISSN
- 18813933
- 09152245
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可