経子宮頸管的針生検による捺印細胞診および組織検査が診断に有用であった子宮原発悪性リンパ腫の 1 例

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  • Usefulness of imprint cytology and histologic examination obtained by fine needle biopsy in the diagnosis of malignant lymphoma with the uterus
  • —A case report—

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抄録

背景 : 子宮を原発とする悪性リンパ腫はきわめてまれな疾患であり, 診断に苦慮することも多い. 今回, われわれは, 経子宮頸管的針生検が有用であった子宮原発悪性リンパ腫の 1 例を経験したので報告する. <br>症例 : 70 歳, 女性. 2 経妊 2 経産. 下腹部痛と下肢浮腫を主訴に近医を受診. 子宮腫瘍を指摘され, 当院紹介となった. MRI にて子宮体部を中心に子宮頸部に及ぶ腫瘍を認めるも, 子宮頸部細胞診, 子宮内膜細胞診ともに異常を認めなかった. このため, 子宮腫瘍に対して経子宮頸管的針生検を施行し, 捺印細胞診および組織診を施行した. 捺印細胞診では裸核様の中型異型リンパ球を散在性に認め, 非ホジキンリンパ腫と推定された. 組織診でも子宮筋層内に中型異型細胞がびまん性に浸潤しており, 核小体の明瞭な大型細胞も散見された. CD5-, CD10-, CD20+, BCL2-, BCL6+, MUM1-, MIB1 index~90%であり, びまん性大型 B 細胞性リンパ腫と診断した. その後, Ann Arbor 分類 IVBE 期と診断され, 化学療法後, 寛解を維持している. <br>結論 : 非典型的な子宮腫瘍を診断するための経子宮頸管的針生検は有用であると考えられた.

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