越流津波に対する従来型式の海岸堤防の被災メカニズム

  • 松島 健一
    国立研究開発法人農研機構 農村工学研究所
  • 三島 尚人
    国立研究開発法人農研機構 農村工学研究所
  • 桐 博英
    国立研究開発法人農研機構 農村工学研究所
  • 中 達雄
    国立研究開発法人農研機構 農村工学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • FAILURE MECHANISM OF CONVENTIONAL DIKE UNDER OVERFLOW TSUNAMI
  • エツリュウ ツナミ ニ タイスル ジュウライ ケイシキ ノ カイガン テイボウ ノ ヒサイ メカニズム

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抄録

東北地方太平洋沖地震津波による三面張り海岸堤防の被災原因を解明するため,地震力の影響によって被覆コンクリートの目地部の遮水性が低下した条件と,遮水性が保持された条件を模擬した堤防モデルを対象として,越流水理実験を実施した.その結果,目地部の遮水性が低下した場合,比較的小規模な越流でも目地部に越流水が浸入し,泥濘化した背面土の土圧によって裏法コンクリートが押し出された.一方,目地部の遮水性が保持された場合でも,越流水深5.0m程度を上回ると,揚力によって裏法コンクリートが引き剥がされた.以上のことから,粘り強さを向上させるためには,地震等に強い被覆構造に加えて,被覆工の引き剥がれを防止するとともに,被覆工背面の盛土材が泥濘化しない工夫が必要であることがわかった.

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