タクロリムスが著効した成人スティル病の1例

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  • Efficacy of tacrolimus in a case of adult onset Still’s disease

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抄録

   症例は70歳,女性で,38度以上の稽留熱が3週間続き,四肢を中心とした紅斑,骨びらんを伴う多関節痛,リウマトイド因子陰性,抗CCP抗体陰性,血清フェリチン値4450ng/mlと上昇し,臨床的兆候や血液検査結果等を勘案し,成人スティル病(adult onset Still’s disease: AOSD)と診断した.プレドニゾロン(PSL)40mg/日で内服治療を開始した.初期治療で速やかに解熱したが,PSL 25mg/日まで減量した時点で発熱,関節痛の再燃がみられ,炎症反応も軽度上昇した.タクロリムス(tacrolimus: TAC)0.5mg/日を併用し,炎症反応は陰性化して軽快した.TAC併用後はステロイドのさらなる漸減が可能となり,再燃なく最終的にステロイドを中止できた.TACはAOSDでの治療選択肢のひとつで,ステロイド減量困難例でTACが有効な症例があると予想され,今後の症例の積み重ねと解析が必要である.

収録刊行物

  • 臨床リウマチ

    臨床リウマチ 27 (3), 198-204, 2015

    一般社団法人 日本臨床リウマチ学会

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