十二指腸潰瘍術後15年目に発症した胃空腸結腸瘻の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Gastrojejunocolic Fistula Developed 15 Years after Surgery for Duodenal Ulcer
  • 症例 十二指腸潰瘍術後15年目に発症した胃空腸結腸瘻の1例
  • ショウレイ ジュウニシチョウ カイヨウ ジュツゴ 15ネンメ ニ ハッショウ シタ イ クウチョウ ケッチョウロウ ノ 1レイ

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抄録

症例は67歳,男性.15年前,穿孔性十二指腸潰瘍に対して幽門側胃切除術,Billroth II法再建を行った既往がある.4カ月前より食欲不振が出現し,約3カ月で10kgの体重減少を認めた.頻回の嘔吐と下腿浮腫が増悪し,精査加療目的にて当院入院となった.血液生化学検査所見では血清総蛋白4.8g/dl,血清アルブミン2.0g/dlと著明な低蛋白・低アルブミン血症を認めた.上部消化管内視鏡検査にて胃空腸の吻合部潰瘍と潰瘍に連続する内腔を認め,造影にて横行結腸との瘻孔が確認された.吻合部潰瘍による胃空腸結腸瘻と診断し,瘻孔を含めた胃・空腸・横行結腸部分切除術を行い,残胃と空腸はRoux-en-Y再建,横行結腸は端々吻合を行った.術後は創感染を認めたが,その後は順調に改善し第34病日に退院となった.胃十二指腸潰瘍術後の著明な体重減少,栄養障害を呈する場合には,本症を念頭に置く必要があると考えられた.

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