胃全摘術後の挙上空腸に発生した小腸癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Small Bowel Malignancy in the Jejunal Limb after Total Gastrectomy
  • 症例 胃全摘術後の挙上空腸に発生した小腸癌の1例
  • ショウレイ イ ゼンテキジュツゴ ノ キョジョウ クウチョウ ニ ハッセイ シタ ショウチョウガン ノ 1レイ

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抄録

小腸癌は稀な疾患であり,さらに胃全摘術後の挙上空腸癌の報告は極めて少ない.われわれは,胃全摘術後3年を経て挙上空腸に腺癌を発生した症例を経験したので報告する.症例は65歳の男性で,平成18年5月に胃癌に対して胃全摘・脾摘・胆摘術を施行された(pStage Ib).平成21年7月に貧血,便潜血陽性を指摘され,上部消化管内視鏡検査にて挙上空腸に腫瘤性病変を認めた.生検にて高分化腺癌と診断され,平成21年9月に挙上空腸部分切除術を施行した.腫瘍は30×15mmの可動性良好な0-I型で粘膜から粘膜下層を主座とするが,漿膜下層への脈管浸潤を伴う高分化腺癌であった.胃癌術後3年であり,胃癌再発転移との鑑別を要したが,粘膜表面からの連続した浸潤形式より,原発性小腸癌の最終病理診断となった.胃全摘術後の患者で,何らかの症状を伴う場合には内視鏡検査での挙上空腸の観察も重要であると考える.

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