膵腎同時移植後に遅発性移植十二指腸穿孔を来した1例

  • 山本 貴之
    名古屋第二赤十字病院移植外科・内分泌外科
  • 鳴海 俊治
    名古屋第二赤十字病院移植外科・内分泌外科
  • 岡田 学
    名古屋第二赤十字病院移植外科・内分泌外科
  • 辻田 誠
    名古屋第二赤十字病院移植外科・内分泌外科
  • 平光 高久
    名古屋第二赤十字病院移植外科・内分泌外科
  • 後藤 憲彦
    名古屋第二赤十字病院移植外科・内分泌外科
  • 渡井 至彦
    名古屋第二赤十字病院移植外科・内分泌外科

書誌事項

タイトル別名
  • Delayed Graft Duodenal Perforation after Simultaneous Pancreas-kidney Transplantation

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抄録

脳死下膵腎同時移植後5か月経過して発症したグラフト十二指腸回腸吻合部穿孔の1例を経験したので報告する.症例は45歳の女性で,約20年来の1型糖尿病にて2013年8月に脳死下ドナーより膵腎同時移植を施行した.術後27日目に移植膵機能,腎機能とも良好で退院した.2014年1月に突然下腹部痛が出現し,急性汎発性腹膜炎および敗血症性ショックの診断にて当院へ救急搬送され,同日緊急開腹術を施行した.十二指腸グラフト回腸吻合の穿孔を認めたため,十二指腸グラフトから回腸にかけて減圧用腸瘻チューブ留置し,穿孔部縫合閉鎖および大網被覆術を施行した.術後経過良好で術後27日目に退院となった.術後11か月経過した現在もインスリンフリーを維持しHbA1c 5.4%,血清クレアチニン0.74 mg/dlと経過良好である.膵臓移植後の合併症として今回の経過はまれであり報告する.

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参考文献 (7)*注記

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