口唇悪性腫瘍に対する再建症例の検討

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  • Clinical analysis of lip reconstruction after excision of lip cancer

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抄録

口唇は機能的,整容的に重要な構造物である。口唇悪性腫瘍の治療は切除が主体となっており,切除後のQOLの低下が問題となる。口唇欠損が口唇幅1/3を超えると再建が必要となることが多いが,再建方法は数多くの報告があり標準的な方法は存在しない。<br>当科で行われた口唇再建について,切除,再建方法と,術後機能障害(開口障害,口唇閉鎖不全)との関連について検討を行った。切除範囲,再建方法による機能障害の有無においては有意差を認めなかったが,口角切除がなされた場合には開口障害の発生が有意に多かった(P<0.05)。しかし,経口摂取における影響はほとんどなく,機能的予後は比較的良好であると思われた。<br>ほとんどの症例で局所皮弁による再建が可能であり,当科では可能な限り局所皮弁(特にAbbe-Estlander flap)での再建を行うこととしている。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 41 (3), 386-391, 2015

    日本頭頸部癌学会

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