小児難治性てんかんにおけるtopiramate, lamotrigine, levetiracetamの追加治療の有効性と安全性の比較検討

DOI
  • 加藤 竹雄
    京都大学大学院医学研究科医学部発達小児科学教室
  • 中田 昌利
    京都大学大学院医学研究科医学部発達小児科学教室
  • 井手 見名子
    京都大学大学院医学研究科医学部発達小児科学教室
  • 齊藤 景子
    京都大学大学院医学研究科医学部発達小児科学教室
  • 吉田 健司
    京都大学大学院医学研究科医学部発達小児科学教室
  • 粟屋 智就
    京都大学大学院医学研究科医学部発達小児科学教室
  • 平家 俊男
    京都大学大学院医学研究科医学部発達小児科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy and tolerability of topiramate, lamotrigine, and levetiracetam in children with refractory epilepsy

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抄録

 【目的】近年, 本邦において新規抗てんかん剤が次々と使用可能となり, てんかん治療の治療戦略の見直しが必要となっている. 広域な発作抑制作用をもつtopiramate (TPM), lamotrigne (LTG), levetiracetam (LEV) の有効性, 忍容性について比較検討した. 【対象・方法】京都大学医学部附属病院, 洛和会音羽病院, 日本赤十字社和歌山医療センターの小児神経外来に通院中の患者のうち, 2007年7月~2012年7月の5年間に, TPM, LTG, LEVの追加治療を新規に開始した小児難治性てんかん症例を対象とし, 後方視的に検討を行った. 【結果】対象症例数はLTGが44例, TPMが55例, LEVが38例であった. 全体の50%発作頻度減少率 (50%RR) はLTG 31.8%, TPM 41.8%, LEV 52.6%であった. 部分てんかんでは, 50%RRはLEV, TPMが同等の有効性を示したのに対し, LTGでは50%RRでは24%と低かった. 全般性てんかんでの50%RRはLTG 28.6%, TPM 26.7%, LEV 44.4%であった. 副作用の頻度はそれぞれ, LTG 9.1%, TPM 43.6%, LEV 15.8%とTPMが最も高かった. 【結論】部分てんかん, 全般性てんかん共にLEVが最も優れた有効性を示した. TPMは発作消失率の点では他2剤と比較して有効性が高く, またLTGは部分てんかん発作より全般性てんかん発作において有効性が高い傾向にあった. これらの新規抗てんかん剤には有効性, 副作用などにおいて各々の特徴があり, 利点・欠点を把握した上で治療を行う必要があると考える.

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 47 (5), 354-359, 2015

    一般社団法人 日本小児神経学会

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