アンサンブル予測雨量のダム洪水調節操作への適用に関する研究

  • 猪股 広典
    国土交通省 国土技術政策総合研究所 河川研究部 水循環研究室
  • 川﨑 将生
    国土交通省 国土技術政策総合研究所 河川研究部 水循環研究室
  • 後藤 祐輔
    一般財団法人 日本気象協会 防災ソリューション事業部 水防ソリューション課
  • 増田 有俊
    一般財団法人 日本気象協会 防災ソリューション事業部 水防ソリューション課
  • 荒木 千博
    株式会社 建設技術研究所 大阪本社 河川部
  • 荒木 孝之
    株式会社 建設技術研究所 東京本社 水システム部

書誌事項

タイトル別名
  • Application of Ensemble Rainfall Forecast to Dam Flood Control
  • アンサンブル ヨソク ウリョウ ノ ダム コウズイ チョウセツ ソウサ エ ノ テキヨウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

 本報告ではアンサンブル予測雨量を用いたダム洪水調節手法について検討を行った.具体的には,GSMを境界値とした予測先行時間84時間のアンサンブル予測の計算を行い,得られたアンサンブル予測雨量を用いて最適なダム放流量を決定した.対象とした台風は2011年台風6号,12号,15号であり,この3洪水で洪水調節を実施したダムを検討対象とした.台風6号,15号については84時間という長時間の予測であるにも関わらず満足なアンサンブル予測雨量の精度が得られ,ダム洪水調節にとって非常に有意義な情報であることが分かった.それを用いて最適放流量を決定してダム洪水調節を行った結果,本則操作と比較して下流のピーク流量を低下させることができた.その一方で,台風12号については満足なアンサンブル予測雨量の精度が得られず,それを用いた洪水調節操作は本則操作と比較して下流の危険性を高める結果となった.ダム管理においては本則操作よりも下流の危険性を高める操作は避けなければならないため,実務への適用に向けては台風12号のような事例への対応手段が求められる.

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被引用文献 (9)*注記

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