Ilioinguinal approachによる寛骨臼骨折の治療経験

この論文をさがす

抄録

転位を有する寛骨臼骨折に対し,Ilioinguibal approachを用いて骨接合術を行ったので報告する.対象は,2012年12月~2014年4月までに観血的治療を行った5例(男性4例,女性1例)である.平均年齢55.4(39~68)歳で,両柱骨折3例,前柱+後方半横骨折2例であり,Ilioinguinal approach単独が2例で,Kocher-Langenbeck approachを併用したものが3例であった.平均手術時間は4時間41分,出血量は1416 mlであった.術後JOA scoreは87.8(73-100)点であり,整復位不良の一例で関節裂隙狭小化を認めたが,経過観察期間に変形性変化は進行していない.寛骨臼骨折においては,関節面の解剖学的整復が不可欠であり,Quadrilateral surfaceや後柱骨片の整復固定操作が困難な場合Modified Stoppa approachなど前方アプローチの検討が必要と考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ