病棟における輸液調製環境と輸液処方に関する多施設間実態調査

  • 勝田 優
    シミズ病院薬剤部 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 小阪 直史
    京都府立医科大学附属病院 薬剤部 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 村田 龍宣
    京都市立病院 薬剤科 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 舩越 真理
    京都第一赤十字病院 薬剤部 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 井上 敬之
    JCHO京都鞍馬口医療センター薬剤部 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 山下 美智子
    新京都南病院薬剤部 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 杉田 直哉
    綾部市立病院薬剤部 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 勝井 靖
    福知山市民病院薬剤部 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 澤田 真嗣
    京都第二赤十字病院薬剤部 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 大野 聖子
    京都第一赤十字病院 感染制御部 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 清水 恒広
    京都市立病院 感染症科 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)
  • 藤田 直久
    京都府立医科大学附属病院 感染症科 京都薬剤師感染予防研究会(KIPS–P)

書誌事項

タイトル別名
  • Multicenter Study on Environments for the Preparation of Infusions in Clinical Wards and Related Prescriptions
  • ビョウトウ ニ オケル ユエキ チョウセイ カンキョウ ト ユエキ ショホウ ニ カンスル タシセツ カン ジッタイ チョウサ

この論文をさがす

抄録

  病棟での輸液調製では,調製時の汚染防止により注意を払う必要がある.病棟での輸液調製の現状把握のため,空気清浄度,調製環境,輸液メニューについて血液内科と外科病棟を対象に多施設間調査を実施した.空気清浄度調査は,5施設9部署にて実施し,パーティクルカウンターとエアーサンプラーを用いて浮遊粒子数と浮遊菌の同定・コロニー数を測定した.環境と輸液メニューの調査は,9施設13部署を対象に,調製現場の確認と10日間の注射処方箋(7,201処方)を集計した.空気清浄度は,0.5 μm以上の粒子数が,最も多い部署で3,091×103,少ない部署で393×103個/m3であった.浮遊菌は,黄色ブドウ球菌は3部署のみの検出であったが,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌,Micrococcus属,Corynebacterium属やBacillus属は全部署より検出された.調製台は,9部署で空調吹き出し口の直下にあり,10部署でスタッフの動線上に設置されていた.混合のあった4,903処方のうち,3時間以上の点滴が31%を占めた.病棟での輸液調製マニュアルを整備していたのは,9施設中3施設のみであった.調査から,輸液調製台エリアの空気清浄度は低く,3時間を超える点滴が3割以上を占めるなど,細菌汚染が生じるリスクが高い可能性が示唆された.輸液汚染リスク軽減のため,日本版の病棟での輸液調製ガイドラインの策定が望まれる.<br>

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ