末梢静脈栄養で脂肪乳剤を高比率で使用した際の安全性の検討

  • 合志 聡
    新潟厚生連 上越総合病院 消化器内科
  • 禿 晃仁
    新潟厚生連 上越総合病院 消化器内科
  • 鈴木 庸弘
    新潟厚生連 上越総合病院 消化器内科
  • 武井 伸一
    新潟厚生連 上越総合病院 消化器内科

書誌事項

タイトル別名
  • The Safety when administered a high proportion of lipids emulsions in peripheral parenteral nutrition
  • マッショウ ジョウミャク エイヨウ デ シボウ ニュウザイ オ コウヒリツ デ シヨウ シタ サイ ノ アンゼンセイ ノ ケントウ

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抄録

【目的】末梢静脈栄養で脂肪乳剤を高比率で使用した際の安全性を検討した。【方法】腸管安静が必要な成人患者 (100例) を対象とし、Harris-Benedictの式より算出した必要エネルギー量と体重当たり使用できる脂肪乳剤の量を加味して投与量を決定した。評価項目は安全性とし、脂質、炎症反応、肝機能などの検査値の推移と有害事象の有無とした。採血ポイントは末梢静脈栄養開始前と最終投与翌日とした。【結果】平均年齢71歳、平均総投与エネルギー 1352kcal/日、総エネルギーに対する脂肪比率60.9%、平均投与日数6.8日であった。トリグセリド、総コレステロールは開始前と終了時で有意な変化はなかった。空腹時血糖、プロトロンビン時間、白血球、好中球、ビリルビンは開始前に比べ終了時は有意に低下していた。脂肪乳剤が原因と考えられる有害事象は認めなかった。【結論】総投与エネルギーの約60%を脂肪乳剤で投与しても1週間程度であれば脂質代謝に大きな変化を来すことなく、安全に投与できると考えられた。

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