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- 小村 健
- 総合東京病院口腔外科
書誌事項
- タイトル別名
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- Functional reconstruction following tongue cancer resection
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抄録
舌は咀嚼,構音,嚥下などの口腔機能に重要な役割を果たしている。今日,舌癌は手術療法を主体に治療が行われている。こうした中,舌再建のゴールは切除創面の被覆とともに,口腔諸機能を再獲得させることにある。舌切除後の口腔機能に関して,術後の構音機能は咀嚼機能や嚥下機能とよく相関している。口腔舌(可動部舌)の可動性と形態は口腔機能に重要であり,また舌根の可動性と容量は嚥下咽頭相を完遂させる上で必要不可欠である。<br>従って,舌部分切除や舌半側切除後に,良好な口腔機能を得るためには,遊離前腕皮弁のような薄くてしなやかな皮弁で再建を行い,残存舌の可動性を最大限発揮させ,かつ口腔内での形態と位置を維持する必要がある。前腕皮弁での再建では,皮弁の設置も自由に行い得,残存舌の引き連れをきたすことも少ない。舌切除に伴い咽頭側壁が合併切除された場合には,嚥下咽頭相を円滑にするためには,狭い口峡を形成する。<br>切除が口腔舌の大部分(可動部舌亜全摘・全摘)や口腔舌・舌根(舌亜全摘・全摘)に及ぶ場合には,遊離腹直筋皮弁のような厚い皮弁を用いて,隆起型で,十分な舌容量を有する舌再建を行う。さらに,術後の誤嚥防止・嚥下改善策として,喉頭挙上術,喉頭蓋管形成術,喉頭蓋固定術,輪状咽頭筋切断術等を併施する。
収録刊行物
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- 日本口腔腫瘍学会誌
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日本口腔腫瘍学会誌 27 (4), 103-112, 2015
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679323896832
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- NII論文ID
- 130005116048
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- ISSN
- 18844995
- 09155988
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可