動脈硬化と反復する出血性病態を呈した免疫不全症

  • 神谷 麻理
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科学
  • 副島 誠
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科学
  • 岩井 秀之
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科学
  • 宮坂 信之
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科学
  • 上阪 等
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Atherosclerotic and hemorrhagic diseases in a patient with primary immune deficiency

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抄録

症例は59歳男性.幼小児期より気道感染症や下痢を反復し,間欠的な発熱および慢性的な炎症反応高値を認めていた.不明熱の精査および治療のため当院に入院となった.血液検査にて血清IgM高値(737 mg/dl),IgG低値(537 mg/dl),IgA, IgE測定感度以下,特異抗体産生不全を認め,反復する気道と消化管の感染症のエピソードから,原発性免疫不全症のひとつである高IgM症候群と診断した.過去にアテローム性動脈硬化症に伴う胸腹部大動脈瘤に対して大動脈置換術を2回施行されており,蛋白尿,腎機能低下の精査目的で行った腎生検では腎硬化症と診断されていた.入院経過中に,反復する脳出血,肺胞出血を認めたが,出血時間,凝固検査に明らかな異常を認めず,抗核抗体,抗好中球細胞質抗体,抗カルジオリピン抗体は陰性であった.免疫不全症を基礎疾患として,動脈硬化,反復する出血性病態をきたした症例として,ここに報告する.

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参考文献 (3)*注記

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